No.147 −鷹化して−




 とうとう、前回から1ヶ月間、穴をあけてしまいました。 毎週、必ず原稿を入れて参りましたのに、とうとう、やってしまいました。 「あれば入りたい」穴を、自分で作ってしまいました。お恥ずかしい次第です。 しかし、「作者病気により休載」という訳ではありませんので、今後は努力して、 又、続けて参りますので、お許し下さい。

 さて、という訳で、今回のテーマは「鷹化して鳩となる。」「春のおだやかな気に影響されて」 鷹が鳩に姿を変えるという、中国の「呂氏春秋(りょし しゅんじゅう)」「礼記(らい き)」 にある言葉です。72候の一つで、3月16日から20日頃に当たるそうです。 (講談社版、新日本歳時記 春、p.31)

鷹 鳩に化して青天濁りけり
松根 東洋城

鷹化して鳩になる日を出羽にをり
伊藤 白湖

鷹は鳩 稿は難しと夜遊ぶ
鈴木 六林男


 ところで、「鷹」は、本来、季語としては「冬」で、「鷹舞ふ」「鷹の羽」「鷹の天」「鷹狩」などと多彩ですが、「鷹渡る」というと「秋」の季語になります。

鳥のうちの鷹に生まれし汝かな
橋本 鶏二

日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ
寺田 京子

(蝸牛社刊「新季寄せ」)


 ところが「鳩」というのは、季語にはちょっと見出せません。「雀」は一年中どこにでも見られるのに「春」に「雀の子」や「雀の巣」があるにもかかわらず、「鳩の巣」も「鳩の子」もない、ようです。あの鳴き声も、季節によっては印象的だと思うので すが、如何なものかと思われます。
 僅かに見つけたのが「鳩吹」(はとふき・はとふく)。「秋」の季語です。

鳩吹の森の中道分れ行く
内藤 鳴雪

鳩吹いて見えざるものを信じたり
長谷川 秋子

(上 掲 書)

鳩吹くや夕雲遊ぶ月の山
角川 源義

鳩吹いて霧の湧きくるまたぎ村
古賀 まり子

(上掲「大歳時記」)


 これらの例句を見ればお解りのように、鳩そのものの声というより、 両手を合わせて山鳩の鳴くような音を出すことをとり上げているのは明らかで、 従って狩猟の時の合図や鳥寄せの音とか、忍者の合図などのような使い方を指しています。 最後の句の「またぎ」もその類で、東北地方などの山に住んでいる猟師さんのことですから、 やはり獣に知られないための合図、として使われていることになります。

 それにしても、最近の教育界では、少子化のための公立校の統廃合を始め、指導要領の変化と、 その実行など、大学も含めて激しい変化に見舞われています。
 「桑田変じて海」となったり、「を生んだり」しないようにしたいものです。


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