今年は、9月まで夏が続いていて、東京は観測史上第1位の平均気温、沖縄の那
覇と同じだったとか。本当に永い暑い夏でした。
しかし植物の季節感というのは、春と違って、そんなに大きな狂いはないようで、
花をつけるべき時はつけ、香るべき時には香っているようです。
萩はもう散っていますし、金木犀も花をつけ、よい香りを放ち始めています。。
そこで今回は、普段は余り眼に止まらない、目立たない植物を取り上げてみまし た。
まず「数珠玉」(じゅずだま、ずずこ、たらむぎ)
イネ科の多年草ですから、水辺や湿地などに多く自生し、キビに似た葉を1メー
トルくらいの高さに伸ばしています。初秋に穂状の雌花を開き、やがて、黒から灰
白色の実になります。
昔は子供たちがその実に糸を通して数珠(じゅず)を作って遊んだので、その名
があるのです。
今の子は知らないし、そんなことはしないでしょうねェ。
数珠玉をさはにつなぎてまだ軽し
後藤 比奈夫
(註)さは=たくさん
数珠玉の入口うづむ隠れ里
松崎 鉄之介
数珠玉や鶏がかほ出す札所寺
関戸 靖子
次は「藪枯らしの花」(やぶからし・びんぼうかずら)。
ブドウ科の蔓性多年草。これは、山野だけでなく、街の中の生垣や、藪の中など
でもよく見られます。
小さな雨蛙の手足のように、パッパッと枝分かれした小枝の先に、小さな玉のよ
うな蕾(つぼみ)をつけ、やがて紫黒色の実になります。細い巻きひげで他の草や
木にからみつき、覆いかくし、遂にはもとの木や草を枯らせてしまうのです。
花は淡緑色の四弁花なので、目立ちません。
思はざる道に出てをり藪からし
清水 基吉
仰山(ぎょうさん)に花をつけ貧乏かづらかな
原田 青児
托鉢(たくはつ)や籬(まがき)をめぐる藪がらし
角川 春樹
前回は大変長かったので、今回はこれで終わり。
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