春。新学期。新しい生徒が入学してきます。
地球へのピクニック
谷川 俊太郎
ここで一緒になわとびをしよう ここで
ここで一緒におにぎりを食べよう
ここでおまえを愛そう
おまえの眼は空の青をうつし
おまえの背中はよもぎの緑に染まるだろう
ここで一緒に星座の名前を覚えよう
ここにいてすべての遠いものを夢見よう
ここで潮干狩りをしよう
あけがたの空の海から
小さなひとでをとって来よう
朝御飯にはそれを捨て
夜をひくにまかせよう
ここでただいまを言い続けよう
おまえがお帰りなさいをくり返す間
ここへ何度でも帰って来よう
ここで熱いお茶を飲もう
ここで一緒に坐ってしばらくの間
涼しい風に吹かれよう
(石垣りん編「家庭の詩」より)
私たちは、この地球にふとやってきた子供のようなものではないでしょうか。地球
に来てくれと言われた訳でもなく、侵入してきたエイリアンでもなく、でも、天体と
しては極めて珍しい条件、のおだやかな自然を持つこの地球を楽しみ、愛し、生き、
場合によっては悩み、しかし結局この地球で生きるしかないことに気付き、長い地球
の中の一瞬に生きているのです。
春日遅々。新緑の美しいこの時間を大切にしたいものです。
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