日私教研からのお知らせ:所長室からのメッセージ

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日私教研からのお知らせ

風が吹けば桶屋が儲かる!?

№ 43 (2017年8月)

先日、NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」が放映されました。世の中に溢れる膨大なデータ、一見バラバラに見える事象もまさに「風が吹けば桶屋が儲かる」という風に、間接的に影響し合い、関連性を持っており、その関連性をAI(人工知能)によって読み解き、今まで打開策の見えなかった社会問題解決の糸口を探るという番組で、例えば「女子中学生のBMI値が下がると株価が上がる」など興味深い内容でした。

これと同じように別々のデータの関連性を解析する取り組みは以前から行われていました。例えば「ビールと紙おむつの法則」~スーパーなどでビールが売れる日は紙おむつも売れる、紙おむつが売れる日はビールも売れる、このデータを分析したところ紙おむつを買いに来るのは圧倒的にお父さん、子供のために紙おむつを買ったついでにお父さんが自分のためにビールを買う~ということが判明、紙おむつとビールを同じ売り場に並べたところ売り上げが伸びたという話です。

このデータ分析の専門家をデータサイエンティストといいますがその養成は急務とされています。そのための養成講座は各地で開かれ、国立大学法人滋賀大学には学部も新設されました。企業では経営戦略や商品開発、広報戦略には欠かせない存在ですのでこの分野の人材は今後も需要が伸びると思われます。

一方、これからの社会を担う人材を世に送り出す側の学校はどうでしょうか。相変わらず明治時代から続く「黒板とチョーク」が主流を占め、学校運営も生徒募集も永年の経験とそれから派生するカン、最後は度胸で乗り切る、所謂「経験・カン・度胸」の旧態依然とした状況にある学校が大半です。即戦力を求める実業界からのブーイングも大学を突き抜けて高校にまで届き、当分止みそうにありません。

このAIを使ったデータ分析はこれからの学校の運営全般に欠かせないのはいうまでもありません。また新聞紙上を賑わす学校を取り巻く問題も、結果論に基づく評論やいいわけに終始することなく、根本的問題を浮き彫りにし、その改善方法を私たちに示唆してくれるという期待も膨らみます。
将来的に学校を専門とするデータサイエンティストの育成を目指すにしても当面は教職員が機会ある毎にその手法を学ぶしかないと思います。各研修会の研修テーマにこの問題を盛り込むとともにイノベーション教育研究部会をその柱に据えたいと思っております。

時代の先端を行くべき私立学校が時代に取り残される、そんなそしりを受けないように頑張らねばと思う頭上に蝉時雨が降り注ぐ今日この頃です。

所長 中川武夫

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