日私教研からのお知らせ:所長室からのメッセージ

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日私教研からのお知らせ

花が実になり 実が華になる

№ 39 (2017年3月)

表題の言葉は京都駅新幹線ホームにある梅干し屋さんの広告です。何故かここを通るたびに立ち止まり、見入ってしまいます。

可憐に咲いた花がやがて実を結び、職人の技と手間暇をかけて熟成され、味わい深い梅干しになる・・・ 生徒を梅干しに例えるのは不謹慎かもしれませんが、私はそう連想してしまうのです。
生徒が真新しい制服に身を包み希望に燃えた頃から月日を重ね、やがて卒業の時、立派に成長した生徒の姿に喜びをかみしめ、併せて我々教師は十分な仕事をしたのかと自責の念に駆られる、そんな想いが甘酸っぱく交差する、だからこの広告に見入ってしまうのかもしれません。

その生徒たちの生きる時代に即した教育を目指し、教育改革が進んでいます。当初、文部科学省はアクティブ・ラーニング(AL)を前面に掲げましたが言葉だけが一人歩きし、にわかAL専門家や教育改革を商売の種にするコンサルティング会社が跋扈し、形だけ整え21世紀型教育実践校を標榜する学校が増えたことなどにより軌道修正に躍起になっています。教育について永年研究してきた研究者たちもこの状況を憂い、こんな指摘をしています。

  • ・ALが「新しい授業手法」という誤解
        新奇な授業手法ではなく、既に多くの蓄積を持った学習形態
  • ・子供の成長の見通しを欠いた散発的AL
        授業間、単元間、教科間の学習の関連性を意識しない
  • ・能動的学習体験を統合化(意味づける)機会の不在
        学びの意義を実感できる「まとまった学習活動」がみられない

上記の指摘にあるように、アクティブ・ラーニングをはじめ現在検討されている教育方法を金科玉条のように扱ったりするのではなく、今まで行ってきた指導の延長線上にあるものとしてとらえ、あくまで生徒中心に考える、生徒募集のカンバンとして形だけ整える所謂「なぁ~んちゃって21世紀型教育」と批判されないよう注意すべき・・・

京都の伝統を受け継ぎ、新たな高みを目指して改良を怠らない、梅のことを知り尽くした職人技、そんな地に足が付いた教師を増やしたいと思いつつ今日も新幹線に乗り込みます。

所長 中川武夫

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